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2022.09.25 (Sun)

大丈夫。


エッセイ教室ー課題「子故の闇」



久しぶりに五月人形を出した。
いつからだろう。毎年飾らなくなったのは。

息子たちが陣羽織を着て刀を振り回していた頃、
先輩ママに、小さい頃は体がくたくたで、
大きくなって楽になったと思ったら、
今度は心がくたくたになると言われたことがある。
息子たちの世話に追われて自分の時間が皆無だった私は、
その先輩ママが謳歌している自由な時間が羨ましくて、
それでも、早く大きくなってほしいなと思っていた。

少しずつ、心がくたくたになることが増えていって、
そのピークは息子たちの大学受験だろうか。
もう手伝ってやれることはなくなって、
ただただ見守ることしかできなくなっていた。
体より心がくたくたになる方が辛い。

特に、浪人した長男の受験は大変だった。
その中で、少し笑えるエピソードがある。
浪人が決まって自分で予備校を選んで申し込みに行った日、
長男は、申し込み用紙の保護者蘭でペンが止まった。
父親の名前の漢字の一文字に迷ったのである。
確信が持てなかった彼は、代わりに母親の名前を書いた。
彼にしたら、
親の名前を書くのは、それが人生初だったのかもしれない。
それ以降、予備校からの諸々の案内の封筒は私宛になった。
保護者会や面談の際に、担当の先生方が特別やさしく
親身に対応してくださったように思えたのは、
思い過ごしだろうか。

合格発表日、PCの画面で長男の受験番号を探す。
第一志望校ではなく、
昨年は受かっても行く気はないからと受けなかった大学。
滑り止めの大学だ。
ドキドキしながらも少し余裕で二人で画面を見つめる。

うん? ない? えっ? えーー。
「えーー、どうするん」心の声を出してしまう。
「大丈夫やって。本命の○○大学は、自己採点したら合格圏やったから」

子供に大丈だと言わせてしまった。
一番ショックで不安なのは彼だろうに、母親失格である。
長男の言うとおり第一志望校に合格できたのだが、
彼は自分の受験番号は見つけた時、目を潤ませていた。
ここ数日は不安で一杯だったのだろう。
自分の失言が情けな過ぎる。
長男に謝ると、彼は笑っていた。
もしかしたら、母の失言はこれだけではなかったのかもしれない。

子供は親を選べないと言うけれど、もし神様がいるとしたら、
親子のマッチングをしていると思う。
長男も次男もすくすくと育ってくれた。
二人とも大きな苦労をかけることなくやさしい子のままだ。
それはきっと、神様が私にでも育てられるように、
やさしい子どもを授けてくださったのだと思う。

子育てが終わった自由な時間を謳歌しながら、遠い日々を思う。
あの頃の私は、子どもに「大丈夫」なんて言われるな日が来るなんて、
夢にも思っていなかった。


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